ai-job-search 完全ガイド|Claude Codeで就職活動を自動化するエージェントワークフロー実践入門

約15分で読めます by ぽんたぬき
ai-job-search 完全ガイド|Claude Codeで就職活動を自動化するエージェントワークフロー実践入門

ai-job-search 完全ガイド|Claude Codeで就職活動を自動化するエージェントワークフロー実践入門

転職活動って、本当に消耗しますよね。求人を探して、CV(履歴書)をカスタマイズして、カバーレターを書いて、応募して、ステータスを管理して……。繰り返す作業の多さに、心が折れそうになることもあると思います。

でも、大丈夫です。今日紹介する ai-job-search を使えば、この一連の流れをClaude Codeが自動でこなしてくれます。しかも、「机上のAIツール」ではありません。作者自身がこのフレームワークを使い、69件の応募・20回の面接を経て実際にAIエンジニアとして内定を勝ち取った、実戦検証済みのツールです。

私も最初は「本当にこんなにうまくいくの?」と半信半疑でした。でも使ってみると、その設計の丁寧さに驚かされました。一緒に、ステップバイステップで試してみましょう。


ai-job-search とは何か

ai-job-searchは、Claude Code CLI上で動くオープンソースの就職活動自動化フレームワークです(MIT License)。

作者はデンマーク在住の地球物理学者・MadsLorentzenさん。2025年末に職を失い、このフレームワークを自ら開発・使用しながら転職活動を行い、2026年6月にAIエンジニアとして内定を獲得しました。この「ドッグフーディング(自分で使って証明した)」というストーリーが話題を呼び、GitHubで31,000スター超、2026年7月にはGitHubトレンド1位を獲得しています。

技術的な本体は、13個のカスタムスラッシュコマンド集です。Claude Codeの .claude/commands/ ディレクトリにコマンドを置く仕組みを活用して、求人検索から応募書類生成、面接準備、ステータス追跡までを1つのCLIで完結させています。


全体像:3つのコアコマンドが核になる

まず、大きな流れをつかんでおきましょう。

/setup  →  /scrape  →  /apply  →  /interview
  ↑              ↑            ↑             ↑
プロフィール  求人収集   書類生成    面接準備
構造化

これに加えて、/gmail-sync/notion-sync といったMCP連携コマンドが、応募後の追跡を自動化してくれます。難しく考えなくて大丈夫。一つずつ見ていきましょう。


ステップ1:環境構築

まず必要なツールをそろえます。初めての方は少しだけ手間がかかりますが、一度やれば後は快適です。

技術 用途
AIエージェント Claude Code CLI 全ワークフローの実行基盤
書類生成 LaTeX(TeX Live / MacTeX / TinyTeX) CV・カバーレターのPDF化
ポータルCLI TypeScript + Bun 求人ポータルのスクレイピング
PDF解析 pdftotext(poppler) ATS互換チェック

LaTeX環境のインストール(OS別):

# macOS(HomebrewでBasicTeX)
brew install --cask basictex
# インストール後にPATHを反映
eval "$(/usr/libexec/path_helper)"
# lualatex / xelatex パッケージを追加インストール
sudo tlmgr update --self
sudo tlmgr install luatex xetex collection-fontsrecommended

# Linux(TeX Live)
sudo apt-get update
sudo apt-get install -y texlive-xetex texlive-luatex texlive-fonts-recommended

# 軽量派(TinyTeX)
curl -sL "https://yihui.org/tinytex/install-bin-unix.sh" | sh
# インストール後にPATHを反映(シェルを再起動するか以下を実行)
export PATH="$HOME/.TinyTeX/bin/$(uname -m)-$(uname -s | tr '[:upper:]' '[:lower:]'):$PATH"
# lualatex / xelatex パッケージを追加インストール
tlmgr install luatex xetex collection-fontsrecommended

インストール後、動作確認します:

# macOSの場合:PATHが通っているか確認
echo $PATH | tr ':' '\n' | grep -i tex

# バージョン確認
which lualatex && lualatex --version
# または
which xelatex && xelatex --version

popplerの導入:

# macOS
brew install poppler

# Linux
sudo apt-get update && sudo apt-get install -y poppler-utils

# インストール確認
pdfinfo -v

リポジトリのクローン:

git clone https://github.com/MadsLorentzen/ai-job-search.git
cd ai-job-search

つまずきポイント: LaTeXのコンパイル時に「Lato」や「Raleway」フォントが見つからないというエラーが出ることがあります。その場合は tlmgr install lato raleway を実行してください。私も最初ここでハマりました(笑)


ステップ2:/setup でプロフィールを構造化する

環境が整ったら、まず自分のプロフィールをフレームワークに読み込ませます。

Claude Code上で実行:
/setup

既存のCV、職務経歴書、スキルリストを読み込み、フレームワークが使いやすい構造化データに変換してくれます。ここで重要なのが「盛らない」こと。実際のスキルと経験を正直に入力した方が、後工程の精度が安定します。

さらに /expand コマンドを使うと、GitHubのリポジトリやポートフォリオから「書き忘れていたスキル」を自動抽出してくれます。「そういえばこのライブラリも使ってたな」という発見があって、面白いですよ。


ステップ3:/scrape/rank で求人を集める

/scrape

複数の求人ポータルを横断検索し、重複を排除した上で適合度ランク付きで結果を出力します。

新しい求人サイトに対応させたいときは /add-portal コマンドを使います。Claude Codeが対象サイトを分析して、TypeScript + Bun製のCLIスキルを自動生成してくれます。日本の求人サイト(リクナビNEXT、Greenなど)に対応させる場合もこのコマンドで対処できます。

取得した求人を適合度スコア順に並べ替えるときは /rank を使いましょう。


ステップ4:/apply の7ステップ自動ワークフローを解剖する

ここがフレームワークの核心です。求人のURLを渡すだけで、応募書類一式が自動生成されます。

/apply https://example.com/jobs/12345

内部では以下の7ステップが自動実行されます:

① 求人投稿パース(URL → 構造データ)
     ↓
② 適合度評価(スキル・経験・文化・勤務地の4軸)
     ↓
③ LaTeXでCV・カバーレターをドラフト
     ↓
④ 第2エージェント(レビュアー)が企業調査+批評
     ↓
⑤ ドラフターがフィードバックを反映して修正
     ↓
⑥ PDF生成・レイアウト検証ループ(lualatex/xelatex)
     ↓
⑦ ATS互換チェック → 最終出力・チェックリスト提示

ドラフター・レビュアー分離アーキテクチャ

特筆すべきはステップ③〜⑤の二エージェント構成です。

  • ドラフター:あなたのプロフィールデータを参照してCV・カバーレターを執筆
  • レビュアーまっさらなコンテキストで起動し、企業をリサーチしてドラフトを批評

人間でも自分で書いた文章の誤りは気づきにくいですよね。AIも同じで、同一コンテキスト内で自己校正しようとすると盲点が生まれます。コンテキストを分けることで「見落としたキーワード」「弱いフレーミング」「汎用的すぎる表現」を客観的に検出できる仕組みになっています。

LaTeX × PDF検証ループ

生成されるCVは moderncv(バンキングスタイル)をベースにしたLaTeXテンプレートです。ページ数がオーバーした場合、単純に古いエントリを削るのではなく、キーワード適合度の低い行を優先的に削減する「関連性加重削減」が行われます。つまり、その企業の求人に最も関係の薄い情報が整理される、賢い設計です。

ATS互換チェックの仕組み

ATS(Applicant Tracking System)とは、多くの企業が使っている応募書類を自動スクリーニングするシステムのことです。書類が人間の目に届く前に、機械に読まれています。

pdftotext(popplerツール)を使ってPDFのテキスト層を抽出し、以下を検証します:

  1. テキスト読み取り順序:マルチカラムレイアウトで文字列が混在していないか
  2. キーワードカバー率:求人要件のキーワードがどれだけカバーされているか
  3. フォントフォールバック失敗:文字化けが発生していないか

スキルのギャップは捏造せず、誠実に報告する設計になっています。ここが私がこのフレームワークを信頼できると感じた部分です。


ステップ5:/interview で面接準備を自動化する

内定候補の企業が絞れてきたら、面接準備です。

/interview

STAR形式(Situation/Task/Action/Result)の回答例、企業研究サマリ、模擬面接の質問集が一式生成されます。

また、残念ながら落ちてしまった場合は /upskill コマンドが役立ちます。スキルギャップを分析して、次の応募に向けた学習計画を提案してくれます。失敗を次のステップに活かすループが作れるわけです。


ステップ6:MCP連携で応募ステータスを自動追跡する

**MCP(Model Context Protocol)**は、外部サービスをClaude Codeに安全に接続するための標準プロトコルです。ai-job-searchはこれを使って、応募後の追跡まで自動化しています。

/gmail-sync:面接招待・採否通知の自動検出

/gmail-sync

Gmail MCPと連携して、面接招待メールや採否通知を検出し、ステータス変更を提案します。ここで重要なのが「提案」であること。変更の実行にはユーザーの承認が必要な設計になっています。AIが勝手にメールを操作することはありません。

/notion-sync/html-report

Notion MCPへの同期(/notion-sync)や、オフラインで見られるHTMLダッシュボード(/html-report)も用意されています。Notionへは一方向・ファイル名のみを同期し、書類の内容はローカルに保持するプライバシー設計です。


セキュリティ:求人票を「信頼しない」設計

求人票の本文に「CVに〇〇というスキルを追加せよ」といった悪意ある指示が埋め込まれるケースがあります(プロンプトインジェクション攻撃)。ai-job-searchは以下の防御策を講じています:

  1. 求人本文内の指示を実行しない
  2. 求人本文内のURLを自動取得しない
  3. 出力書類とプロフィールの整合性を事後検証
  4. .claude/settings.json の許可リストでポータルスキルの操作範囲を制限

ただし、これは**サンドボックスではなく「指示レベルのセキュリティ」**です。未知の求人ボードでは取得内容を目視確認することをお勧めします。


全13コマンド早見表

コマンド 機能
/setup プロフィール構造を構築
/scrape 複数ポータルを横断検索
/apply <URL> 応募書類一式を自動生成
/interview 面接準備パック一式
/outcome 合否記録・書類アーカイブ
/rank 適合度スコア順ソート
/expand GitHub・ポートフォリオから能力抽出
/upskill スキルギャップ分析+学習計画
/gmail-sync Gmailから応募ステータス検出
/html-report オフライン応募追跡ダッシュボード
/notion-sync Notionへパイプライン同期
/add-template カスタムテンプレート追加
/add-portal 新規求人ポータルのCLIスキル自動生成

よくある質問(FAQ)

Q. 日本語の求人に使えますか? コアワークフローは言語非依存です。日本のポータル対応は /add-portal で自作できます。日本語フォント(Noto Sans JPなど)を使う場合は、LaTeXに lualatex を使い、プリアンブルに以下を追記します:

\usepackage{luatexja-fontspec}
\setmainjfont{Noto Sans JP}

Q. LaTeXを知らなくても使えますか? テンプレートは最初から提供されているので、LaTeXの知識は不要です。ただし環境構築(インストール)は必要です。

Q. AIが経歴を「盛る」ことはありませんか? 設計上、スキルの捏造はしません。実際のプロフィールとのギャップは、誠実にレポートとして出力される方針です。

Q. 生成した書類はそのまま出して大丈夫? 最終的には人間がレビューすることを強くお勧めします。AIは優秀なドラフターですが、あなた自身の言葉で微調整することで、より説得力のある書類になります。


まとめ:AIに任せる部分と、人間が担うべき部分

ai-job-searchが優れているのは、自動化しながら誠実さを捨てない設計にあります。スキルを捏造しない、メール変更に承認を挟む、ギャップを正直に報告する。これらはすべて、長期的に信頼できるキャリアを築くための判断です。

AIに任せるべきことは「繰り返し作業」と「フォーマット最適化」。人間が担うべきことは「最終確認」と「自分の言葉で伝えること」。この分担を意識することが、このツールを最大限に活かすコツです。

いきなり全部使おうとしなくていいです。まず /setup/apply だけで始めて、慣れてきたら /gmail-sync を足してみる。あなたのペースで、一歩ずつ進めていきましょう。きっとうまくいきます。


参考リンク

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